感謝の気持ち

私の実家の母が東京に来ました。
母は昨日東京に来て埼玉にある祖母(私の母の実母)のお墓参りに行き、私の家の近くに住む伯父(母の実兄)のとこに泊まり、本日、昼前にうちに寄ってくれました。ここに引っ越してすぐの時に来て以来2回目です。

妻の体調がいまいちだったので、外に食事に行く予定をやめて、家にあるもので急遽母が食事を作ってくれました。足りないものは私が近くのスーパーに買い物に行きました。少ない時間で肉じゃがやビシソワーズなどあっという間に作ってもらった上に、結構汚れていた流しの掃除までしてもらいました。特に妻が恐縮して「すみません」と言っていたものの、「共働きだからしょうがないわよ」と言って短時間の間に全部やってもらいました。私は中学3年の時に実家を出たので、帰省のときを除けば、あまり会話をすることがない母ですが、困ったときに助けてくれる母には本当に感謝です。


世の中では「嫁姑問題」がよくあります。
私の女性の友人の中にも、それで苦労している人が私の想像以上に実は結構います。なかには本当に私に「悩み」を打ち明けてくる人もいます。

私が思うにその要因の多くは「親の子離れ」「子の親離れ」ができていないことが原因だと思います。恐らく、親がいつまでも実の息子や娘を大人扱いできず、その息子の妻や娘の夫に、さらにもの足りなさを感じてどうしても口を出したくなる、あるいは、子供はあまりにも親に干渉されて、どうしても一言言いたくなる、ってところが原因だと思います。「お互いの我慢」ができないことが要因だと思います。


ところが、私の母は私や私の妻に対して、家庭生活に対して一切何も言いません。
きっと本当はいろいろ言いたいことはあるはずだと思うのですが、「家庭生活に干渉することは絶対言わない」と心にきめているとのことでした。そのおかげで、我が家では幸いなことに世間で言う「嫁姑問題」は全くありません。何もなさ過ぎて妻が驚いているくらいです。そういう意味でウチは恵まれているのかもしれません。

聞けば母の姑(私の父の母)とは同居していたのですが、その昔そういう干渉を一切しなかったのと、一方で父方の親戚からは逆にいろいろと干渉されたので、改めて自分の姑が偉かったと実感したそうです。それで私が結婚するときは、「私の結婚相手や私の家庭に対して一切口出しはしない」と心にきめていたようです。


食事のあと、仙台にもどる母を送るために、東京駅まで私がタクシーで送りました。久しぶりに母と二人でタクシーの中でいろいろ話をしました。母は「私の体が元気に動くのはあと10年だからそのあいだにできることをやる。あなたたちには迷惑はかけない」と言っていました。

また東京駅の改札で見送ったのですが、ずいぶん白髪も増えたし、改札のなかに入ってから母の後ろ姿が小さく見えました。「ずいぶん年をとったなあ〜」と感じました。


「小さいときから私を大人として扱ってくれて、常にあれこれ言わず私の意思を尊重してくれた母に対して改めて感謝するとともに、もう少し自分の母に対して親孝行をしなければ」と強くそう思いました。